クレジットカードの審査について調べると必ず出てくる概念が「クレジットヒストリー」。通称クレヒスと呼ばれます。
審査で重要なポイントというのは分かっても、一体どんなものなのか?どうすれば審査をパスしやすくできるのか?など知らない方は多いでしょう。
そこで今回はクレヒスについて知っておいたほうが良い知識と、比較的審査に通りやすいクレジットカードをご紹介していきます。
もくじ
クレジットヒストリーとは?
「クレジットカードを作りたいのに審査をクリアできなくて困っています」
このような人の手助けになるように、クレジット会社がどのようなことを審査対象にしているのか紹介していきます。
このポイントを抑えておけば、クレジットの審査をクリアする確率を、確実に高めることができます。
クレジットヒストリーとは、今までのクレジットカード契約と利用してきた履歴のことです。
クレジットヒストリーには、良い履歴と悪い履歴があり、その履歴が審査する上で重要になってきます。
- 個人信用情報機関
- クレジットカードの契約や利用をすると利用状況が登録される機関です。個人信用情報機関の利用状況は、業者だけでなく利用者も見ることができます。(利用状況はクレジットカード以外に、住宅ローン・キャッシング・携帯電話の分割払いなども含まれます。)
- 社内クレヒス
- 特定のクレジット会社のみが情報を見ることができるもので、利用者はその情報を見ることができません。クレジットヒストリーは2種類ありますが、一般的には上記の「個人信用情報機関」のことを指します。
クレジットヒストリーの重要性
クレジットヒストリーは、このような仕組みになっているわけですが、もう少し具体的に解説します。
クレジットヒストリーの役割は、簡単に言えば金融機関と消費者の「信用を測る物差し」になります。
クレジット会社に申し込みしたとして、クレジット会社は個人信用情報機関で申し込みした人の利用状況を調べます。
利用状況には、契約開始年月・直近の請求金額、それと過去24ヶ月分の入金状況が登録されています。
クレジット以外に、住宅ローンやキャッシングなど利用した履歴も保管されていて、すべてのローンに対して登録→更新されていきます。
利用状況の履歴で大事になるのは、現在借り入れしている金額と毎月の返済状況が登録されています。
それらの情報から、クレジット会社が良好と判断した場合、審査に有利になりカードは作りやすくなります。
逆に悪いと判断された場合、審査に不利になりカードを作るのが難しくなります。
この「良好」は毎月定められた日にちに支払いをして、それを続けているとそのように判断されます。
「悪い」のは、支払いを遅らせている・遅らせている期間が長い・クレジットカードをまったく利用していないなどが判断材料になります。
基本的に金融機関から借りているお金を決められた日に返済しておけば、クレジット会社から「良好」と判断されるので、それほど難しく考えることはありません。
「良好」と「悪い」は、後ほど詳しく説明していきます。
国内の3つの信用機関の役割
クレジットヒストリーには2種類あると説明しましたが、主なものは「個人信用情報機関」です。
個人信用情報機関は、CIC・JICC・KSCの3つの機関に分かれます。
それぞれ独立した信用情報を保管していて、信用情報機関に登録している会社も違います。
金融機関は、申し込みや契約の時に信用情報機関に照会して、それを審査基準にしています。
この3つの信用情報機関は、一般の人も申請すれば情報開示できます。
信用情報機関は情報を提供する役割で、審査業務にはかかわっていません。
それぞれの個人信用情報機関にどのような企業が登録しているのか、また情報開示の方法などを説明していきます。
CICとは
概要:割賦販売や消費者ローンのクレジット(後払い)事業を営む会員とする信用情報機関
主な企業:クレジット会社・信販会社
情報開示:窓口・インターネット・郵送
手数料:1,000円
情報の更新:基本的に月に1回
JICCとは
概要:消費者の返済・支払能力を確認する目的のみ信用情報を利用する機関
主な企業:消費者金融会社会社・信販会社
情報開示:窓口・インターネット・郵送
手数料:1,000円
情報の更新:即日反映
JBA・KSCとは
概要:金融機関で貸しつけた、住宅ローンやマイカーローンなどの信用情報が保管されている
主な企業:メガバンク・地方銀行・信用金庫を含めたすべての金融機関
情報開示:郵送
手数料:1,000円
情報の更新:各企業によって違う
各信用情報機関の情報交流するための機関です。
ただすべての情報交流されているわけではありません。
自己破産や焦げ付き(支払いができない状態のこと)の、「金融事故」と呼ばれる情報交流をする機関です。
この交流を通して、金融事故者の再発防止を目的にしています。
いいクレヒスと悪いクレヒス
クレジットヒストリーには、良いものと悪いものがあります。この履歴は、カードを作るときやローン契約するときに影響します。
良い履歴があるとカードを作りやすくなり、カード会社からゴールドカードやプラチナカードなどランクアップの招待を受けることもあります。
悪い履歴があるとカードを作りにくくなり、現在使っているカードも、最悪の場合利用停止になることもあります。
良い履歴と悪い履歴の例をいくつか紹介していきます。
良いクレヒスの4つの条件
- 支払いをする
クレジットカードの引き落とし日やローンの締切日に、定められた金額を支払っていることです。 - 毎月継続する
定められた金額を継続して支払っていることです。またクレジットカードを継続利用していることも関係あります。 - 公共料金を支払っている
ガス料金・水道料金など、定期的に支払いするものをクレジットカードで支払いすることです。携帯電話の支払いも有利になります。 - 利用金額が多い
クレジットカードの利用金額が多いということは、カードの利用回数も多くなります。カード会社としても、大きな収入が見込めるので優遇されます。
悪いクレヒスの4パターン
- 支払いをしない
業者が定められた日に、支払いを済ませていないことです。
これをすると、業者からの信用を失うことになります。 - 滞納がある
滞納があると業者から信用を失います。
この期間が長くなると、最悪の場合カード利用停止になります。 - 債務整理
弁護士などに依頼することで、借金を減らしてもらうことです。
いわゆる「ブラックリスト状態」になり、クレジットカードを作るのが難しくなります。 - スーパーホワイト
クレジットヒストリーの履歴がないことです。
カードを作ったことがない人はこれに当てはまります。
業者は「ブラックリスト状態」の人と見分けがつかないので、審査に不利になります。
審査の甘いカードを作ることや割賦販売している携帯電話購入すると、スーパーホワイトから脱却できます。
これらは「金融事故情報」として最低5年間は記録が残りますが、この状態のことをブラックリスト状態と言います。(ブラックリストというものはありません)
3つで構成されたのが、どのようなことが書かれているのか紹介していきます。
- クレジット情報
本人のクレジットカードとローンの利用履歴が書かれています。入金状況・属性・契約内容・支払状況などの項目があります。
入金状況は過去24ヶ月分の返済履歴が記号で書かれています。
支払状況の欄に「異動」と書かれているときは、金融事故があることを指します。
ローンやリボ払いをしているときは、残りの返済額が書かれています。
- 申込情報
申込区分の項目には、カード・ローン・住宅ローンのいずれかが書かれています。ローンの場合は、品物の金額や何回払いしているのか書かれています。
- 利用記録
本人が「金融事故」を起こしていないか、クレジット会社や信販会社が調査した履歴の記録が書かれています。
クレヒスを積み立てる3つの方法
携帯電話を割賦払いで購入しよう!
一番簡単な方法ですぐできる方法といえば、まず携帯電話の分割払いでしょう。
例えば ドコモで携帯電話を分割で購入するとします。
すると毎月携帯の料金を支払っているという情報が個人信用情報機関に登録されます。
そのためクレヒスを積むことができるのです。
携帯電話分割払いのクレヒス作成メリット
延滞しなければ支払った印である$マークが個人信用情報期間の情報に登録されます。
また、クレヒスがブラックの状態の人やクレヒスがない人(スーパーホワイトの人)でも審査に通る可能性があります。
実際に可決事例も多くあるみたいです。
これからクレヒスを積み立てたい、という人が最初の積み立て修行として携帯電話の分割払いを始めるのは非常に有効な手段であると思います。
携帯電話分割払いの審査は最低ランク
上記にクレヒスがブラックやホワイトの人も審査に通る可能性がある、と書きましたが、それは審査の基準に関係しています。
基本的にクレジット商品の審査は、契約金額が審査基準と比例の関係にあります。
例えば、500万円の高級外車を買うのと、10万円のスマホを買うのでは当然後者のほうが分割払いの審査の基準が低いということです。
値段が安いほうが、返済能力が低くても大丈夫ということなので、考えてみれば当たり前の話かもしれないですね。
審査にかかる時間が迅速なのも嬉しいポイントです。
支払いがきちんとなされているという情報が個人信用情報機関に登録されるということは、裏を返せば支払いをしていないということも記録されるということです。
そして通常のクレジットカードは支払いに遅延があった期間があっても、その後1,2年きちんと支払いをすれば悪い情報は押し出されて見えなくなります。
しかし携帯電話の場合は1年ほどで支払いが終わってしまうため、支払いをしていない情報が残ってしまい、クレカの審査にマイナスに働いてしまいます。
つまり、携帯電話の分割支払いはクレカの支払い以上に慎重に、支払わなければならないと言えるでしょう。
ACマスターカードでクレヒスを積み立てよう
欲しいカードがあるが審査に落ちてしまった。しかしクレジットカードはどうしても必要・・・
そんな人はまずはACマスターカードを作ってみることをオススメします。
ACカードは、大手消費者金融のアコムが発行しているカードです。
クレジットカード会社はクレヒスを非常に重要視して審査を行いますが、ACカードはクレヒスに問題があるかないかについてそれほど重要視していないと言われています。
アコムで年収の3分の1の借り入れをしている場合は通りにくいですが、そうでない場合は通りやすい可能性が高いです。
ですので、まずはACマスターカードを作ってクレヒスを積んでみるのもよいでしょう。
消費者金融系のカードは消費者金融が発行しているカードのことです。
そのため審査の基準が他のクレカと違います。
クレヒスに過去に情報が残っているかどうかはそこまで問題視されなく、
『現状に返済能力があるか』という点が主な審査の基準になります。
そのため、安定した収入があれば、アルバイトやパートの人でもクレカを発行することができます。
クレカの使い方を気をつけよう
クレジットカードを手に入れることができた、けどまだまだ上のグレードのカードを手にいれたい、というかたはクレジットカードの利用方法を注意するべきといえるでしょう。
以下の点を気をつけましょう
- カードの利用金額を増やす。
- 一枚のカードに決済を集中させる。
- カードローンの残高を減らす
- できるだけ一括決済をする(分割払いは行わない)
- 支払いが遅れてもきちんと払う(踏み倒しは絶対にしない)
これらのことに気をつけてクレヒスをコツコツ積み立て、自分の欲しいカードを手にいれましょう。
クレヒスが悪く審査に不安がある人におすすめのカード5選
「悪いクレヒス」に該当してしまった方は、クレジットカードを発行できるか不安なことでしょう。
ただ、ご安心を。クレヒスが悪くても発行できる可能性があるカードも。
カード業界で 「審査基準が優しめ」とされるおすすめカード5選を紹介します。
ライフカードCh(年会費有料)
公式ページ各所に「審査が優しい」ことを匂わせる記述があり審査難易度の低さはライフカード公認。
ブラックリスト入りしている人でも通る可能性大。他のクレジットカードの審査に落ち続けている人の「最後の希望」とも言える類稀なるカードです。
年会費こそ5,000円かかりますが、クレジットカードとしての特典やサービスも充実していますよ。
- ETCカードを発行可能
- MasterCardブランドで使い勝手が良くポイントも貯まる
- 弁護士無料サービスや海外旅行保険などプラスαの特典も付帯

ACマスターカード
独自の審査基準(カードローンの審査に近しい)を設けているため、ライフカードCh同様ブラックでも発行できる可能性が。
「他のクレジットカードはことごとく審査落ちしたけど、ACマスターカードだけは通った」という評判も少なくありません。
ただし、支払いはリボ払いのみ、ポイント還元なし、などクレジットカードとしてはデメリットが多いのもまた事実。
ライフカードCh | ACマスターカード | |
---|---|---|
年会費 | 5,000円 | 無料 |
キャッシング枠 | なし | あり |
ETCカード | 年会費無料 | なし |
海外旅行保険 | 最高2,000万円 | なし |
- 年会費無料がいい人
- キャッシングを利用したい人
はACマスターカードを発行してみても良いと思います。

楽天カード(通信系)

年会費 | 通常 | 無料 |
---|---|---|
初年度 | 無料 | |
審査難易度 | F(審査難易度「F」について ) | |
還元率 | 1.00%~3.00% | |
公式サイト | https://www.rakuten-card.co.jp |
クレヒスの面で審査が不安な人にもおすすめできる理由
楽天カードは他のクレジットカードと比べて、審査が通りやすいといわれています。
クレヒスに問題があったとしても、それがかなり昔のことだったりそれほど大きな問題でない場合は、審査に通る可能性が高くなります。
また、楽天カードはCMなどでも良く見かけるように、キャンペーンを定期的に行っています。
このキャンペーン期間中はより審査に通りやすくなる可能性が高くなっているので、その点からもおすすめできるクレジットカードだといえます。
▼楽天カードは無職でも持てるのか?をこちらの記事にまとめて見ました。
▼国際ブランドの決め方はこちら
特徴まとめ
楽天カードはその名の通り、楽天市場でおなじみの楽天グループが発行しているクレジットカードです。
その最大の特徴は、楽天ポイントです。
楽天カードを使って楽天市場で買い物をするとポイントが2倍3倍になります。
また、毎月2回ポイントが最大で10倍になるサービスも行っています。
ポイントは1ポイント1円として楽天市場で利用できるので、楽天市場を良く利用する方やポイントを貯めて活用したいという方には非常におすすめです。
イオンカード(流通系)
クレヒスの面で審査が不安な人にもおすすめできる理由
イオンカードは、特に主婦の方が審査に通りやすいクレジットカードとして有名です。
仮にクレヒスに問題があったとしても、配偶者が定職についている場合や両親と同居している場合などは、審査に通りやすいです。
実際にカードを作ることができたという声も多数あります。
特徴まとめ
イオンカードの特徴は何といってもその名の通り、流通系大手のイオングループのクレジットカードであるという点です。
そのため、イオンやマックスバリューなどといったスーパーで買い物すると、お得な特典がついてくることが多いです。
CMなどでもよく耳にする「お客様感謝デー」や「お客様わくわくデー」など、ポイントが数倍にもなる特典日がたくさんあり、そこもまた魅力の1つとなっています。
アメリカンエキスプレスカード(独自審査基準)

年会費 | 通常 | 12,960円 |
---|---|---|
初年度 | ||
審査難易度 | B(審査難易度「B」について ) | |
還元率 | 0.33%~0.50% | |
公式サイト | https://www.americanexpress.com |
審査が不安な人にもおすすめできる理由
アメリカンエキスプレスカードは、ステータスカードだから審査が厳しいというイメージを持っている人が多いと思います。
しかし、他のクレジットカードの審査に通らなかった方でもアメリカンエキスプレスカードは通ったという事例は良くあります。
というのも、アメリカンエキスプレスカードは独自の審査基準を設けているため、過去の事故情報だけでなく、現在の返済能力を重視する傾向があるからです。
特徴まとめ
アメリカンエキスプレスカードの最大の特徴は、ゴールドカードでないにもかかわらずゴールドカード並みのサービスを受けられるという点です。
年会費が12,00円と、他のクレジットカードと比べて高い分、受けられるサービスが非常に充実しています。
サービスの例を挙げると、エアポート送迎サービスや購入品が返品可能なリターンプロテクション、旅行時の手荷物無料配達サービスなどです。
▼アメックスカードについてはこちら
まとめ
いかがでしたか。
今回はクレジットカードヒストリーについての詳しい説明をしました。
クレジットカードの発行にはクレヒスが非常に重要だということがお分りいただけたでしょうか?
審査に不安がある人でも、クレヒスのことをよく理解して、クレジットカードを手に入れられることを願っております。